めげない

 家呑みしたら記事を書くルールの徒然日記。

日本語のあじわい、もぐもぐ。


長くなったので別エントリ。図書館で本を選ぶ際、私はあんまり小説家の方々に詳しくなく、趣味・読書といいつつもそれほどたくさん読むほうでもないわけで、のたーっと本棚の間を歩き、ふと目に付いた背表紙の本を手にとって1ページ目を読み、「読めそう」と思ったら借りてくる、という事をよくしています。かの有名な小川センセイの本も、たまたまとったのが「猫を抱いて像と泳ぐ」だったので、博士の愛した数式の人!というのも全然しらないぐらいの感じです。

ヘンリエッタ

ヘンリエッタ

で、この本さぁ!!!「やべぇ私にとって超読みやすいしすごい好みだなー。」と思って作者紹介読んだら、なんと4つ下だった!!!びびる!2006年の文藝賞受賞作で当時は高校3年生という。気持ちの表現に選ばれる単語のチョイスだったり、感情をあらわず時の言い回し的なものがすごく好きです。すっきり読めて、気持ちよい。




ヘンリエッタがなんなのか、という明確な説明を入れていないままに進む、淡々とした日常と、不思議な生活。主人公である女の子のことすらもあまり説明ないままに、けれど静かなその空気がそのまま「ヘンリエッタ」で本を読んでいる気分になる。人はその人にしかわからないこわいものやきらいなものがあるし、「平和」という形はそれぞれ違う。ささいな習慣の中にある素敵な事柄を、変化しないように繰り返しながら、それを「素敵な事柄だ」と心で繰り返していく生活って素敵だろうなーと思いながら読みました。劇的なことなんて何にもないようで、いとおしい生活が永遠ではないかもしれない。日常のはしばしにある細かな「好きなこと」を再確認できる時間っていいものだ!帰宅して着替えた後に入れる玄米茶とか、寝る前に焚くアロマの香りとか。忙しい中でも、うらー!とベットメイキングして、がさー!と出かけた日、帰宅して、整頓されたベッドの上に重い荷物をとりあえず置く瞬間とか。

それにしてもこの子、よしものばななさんとか好きかしら・・・まぁ何度も書きますがたくさん本を読んでるわけじゃないのであれなんですが、物語の進み方というかスピードというか、終り方とか、すごい私好みすぎて、読み終わった瞬間「これはうちの母親は苦手な本だな・・・」と思いました(苦笑)なんというか、一定のスピードで、何も変化がないようで、実はあって、するっと終る、というか。でもとにかく、文章の流れとか単語のチョイスとか、一番は「○○のようだと思った。」とか「○○というのは私は好きだ」のその○に入ってくる日本語が相当なんか、好きな作家さんです。ちょっと注目していきたいんだけどどうだろう。みずみずしい。日本語ってみずみずしいー!って畳の上で大の字になって昼寝したいかんじです(どんな感じだ)