おいしいたべもの・のみもの(文章編)※6/24追記※
私は「食べ物を食べること/飲み物を飲むこと」が好きです。
たくさん量を食べるわけでもないしお酒は弱いし苦手だし、舌が肥えているわけでもないしもっと言えばメニューやお店を選ぶ能力があまりない(そしておそらく運もない)けれど、とにかく好き。
そしてここ数年で気が付いたのだけど、それと同時に私は「たべもの/のみものが登場する文章(絵本・小説)」がなぜかめちゃくちゃ好きです。
姪が生まれて絵本をさがしたり一緒に読んだりする機会が少しだけどもあって、そういう時に昔を振り返ってみると、私がぽんぽん思い出していける絵本や児童文学、小説の中には「これ、食べてみたかったな」「飲んでみたかったな」「この食べ物すごいよく覚えているな」と今でも思えるものがさまざま登場します。
ということでそういうものをつらつらまとめてみました。
実際に好きなたべものやのみものについても文章まとめたい。
(更新が久しぶりすぎて日付みてびっくりしてしまった…たくさん飲んでいるのに)
ここ最近本当に小説をまったく読まなくなってしまっていて、本をせっかく借りてきても目がすべってしまって頭が文章を読もうとしない感じがある。なので、昔読んだ小説からリハビリしていこうかなという目的も含めつつ、つらつらと書き足していく場所にしたい。
今、ぱっと思い出せたラインナップはこちら。
ちびくろサンボ/虎のバターで焼いたホットケーキ
こんとあき/さきゅうまちへのきしゃで食べたおべんとう(駅弁)
キツネのかがみをのぞいてごらん/焼き林檎とおちょこに1杯ずつのむあの、あれ
エルマーの冒険/棒つきキャンディーとチューインガム、みかんの皮
いたずらまじょ子のおかしのくにの大ぼうけん/虹色のシャーベット
ムーミン谷の冬/ママがつくってくれたあたたかいジュース(かぜぐすり)
あの空にも悲しみが/ユンボギ達が稼ぐために売っていたガム
海のふた/特性シロップのかき氷
おそらく私が出会った時系列順に並べるとこうなりました。「こんとあき」そして「ムーミン谷の冬」が手元にあるので、そこからちらっと書いていって、あとは図書館に行けるようになったらまた実際に読んであらためて書いていきたい。
・6/24「いたずらまじょ子のおかしのくにの大ぼうけん」の部分を追記しました。
◇こんとあき/さきゅうまちへ向かうきしゃで食べたおべんとう(駅弁)
この絵本が本当に好きすぎて、「こんみたいな友達がほしい」「いつか大人になったらこのお弁当を食べながら電車に揺られてさきゅうまちへ行きたい」とずっと願っていたし、今も願っている。あーーーー鳥取砂丘はいつかぜったいに行きたい…
こんのかわいらしいフォルム、あきちゃんとこんの関係性。こんはあきちゃんが赤ちゃんのころからずっと一緒で、あきのお世話をしていたから、さきゅうまちへ行く間ずっとあきちゃんを守ってお世話する。
きしゃに乗ってさきゅうまちへ向かう道中、2人はおべんとうを食べる。こんが途中の駅で、停車の間に急いで買ってきたおべんとう(駅弁)。
これ、すごくたべたかった。今もなおたべたい。おべんとうというよりも、とにかく「とある駅で停車中、出発までの合間」に「駅のホームで並んで」「四角い箱に入って紐がかかったおべんとう(駅弁)」を買ってくる、そうして「きしゃの中で食べる」というのが、ものすごくあこがれだった。ていうか今もあこがれている。
ただのおべんとうじゃないんですよ。四角い箱に入って、上に紙?があって赤い紐で結んであるの。そういうおべんとうを駅のホームで買える、そして動くきしゃの中で食べてしまってもいい、というのがテレビの中や本の世界でしかなかったから、本当によく覚えている。
私はたぶん生きてきて、駅弁を食べたことがない…。たぶん。新幹線に乗ったことが2度しかないので、たぶん食べてない(記憶がない)。地元には電車がないのですが電車や新幹線にのるのがすごい好きなので、また乗りたいなー。遠征行きたいね…
この本は我が家におそらくなかった…ので、保育園?か幼稚園とかでひたすら読んだ本だったのかな。記憶はあいまいですが、姪の3歳の誕生日の時に選んだ1冊です。そして家には湯舟がなかったから、こんのドアにはさまれたしっぽを元通りにするために、こん、あき、おばあちゃんでおふろにつかる、の絵も相当な憧れがあった……「おふろ(湯舟とその中になみなみとあるお湯)はうっすらきいろがかっているもの」だと信じて疑ってなかった子供のころの私です。
あと、これは余談なのですが。
こんは、ぎりぎりおべんとうを買えはしたけれど、あわてて飛び乗ったときにドアにしっぽをはさまれてしまうんです。あきがこんを見つけたとき、こんが小さな体で、2つの四角いおべんとうを持ってじ、としているのが、とてもせつなくて、この絵を強烈に覚えている。
※私はうんと小さい頃から「アンパンマンの顔が濡れる(弱ってへろへろになってしまう)、のシーンを見ることができなくて、その場面になると保育園のトイレに閉じこもって耳をふさいでいた」人なので、人より共感性羞恥?(羞恥ではないかもしれないけれど)がけっこう高くあるのだと思う。このこんを見たときも、なんともいえない気持ちを持ったし、今も持つ(たぶん泣くシーンとかじゃないけどその日の状態にちょっては泣きそうになる、というか)
◇ムーミン谷の冬/ムーミンママがつくってくれたあたたかいジュース(かぜぐすり)
なぜかここではなくおたくブログのほうでアップした「私のほしいもの徒然」で少し触れた、私の人生にとってなくてはならない出会いとなった、ムーミンシリーズ。
ムーミンの世界は作者であるトーベ・ヤンソンさんの出身国であるフィンランドの描写でもあるので、想像できないようなふしぎでなんともいえないたべもの(魚のプティングとか)が登場するし、「え、それってありえるの?日本語としては成り立っているけどそういうものがあってしまうの?」という、そわそわするような、想像できそうでできなさそうなラインのものも登場します。
たとえば、お店で買える「レモン水」だとか、「コケモモのジャム」だとか。
レモン水って、想像はできる。でも「売店で売っているレモン水」って…?みたいな感じ。想像はできるけど、それって日本にあるかな…?みたいなふしぎさ。
ジャムっていうものはわかるけど「コケモモのジャム」ってなんだろう?しかもあまり人気はないみたい…いちごジャムは人気らしい…みたいな。そういう、不思議なラインのものがさらっと出てくる。
ムーミンシリーズに出会った最初の1冊めの「ムーミン谷の冬」で一番強烈に残っているのも、そんな絶妙に不思議な、「ムーミンママがつくってくれたあたたかいジュース(かぜぐすり)」だった。
この「ムーミン谷の冬」は、普段は冬眠して過ごすムーミン一家の中で唯一目を覚ましてしまったムーミン(とちびのミィ)が、体験したことがなかった冬の世界をすごす、というお話。なのでムーミン以外のムーミン一家は最後の最後までやしきの中、ベットの中で眠っているだけ。
最初はきらいで仕方がなかった冬を、わるいものではないな、と思えるようになったころ、春が訪れる。ムーミンがうっかり氷の下の海に落ちて、震えながら家に帰り着きくしゃみをしたとき、今までぐっすり眠っていたママがぱちりと起きてくれます。
ここでムーミンママが作ってくれたのが「あたたかいジュース」なのだけど、まずもって「あたたかいジュースって何ぞや???」とふしぎでしょうがなかった。あたたかいジュース…ジュースがあたたかい…とってもふしぎな感覚でこの文章を読んだなぁ。いつか読んだヤンキー漫画で「ホットコーラ」が登場した時も同じ気持ちだった。コーラがあたたかいだと…?という感覚。
ママの「あたたかいジュース」には、「ひみつの戸だなからとりだしたグレープジュース」と粉ぐすり、沸かしたお湯、おさとうとしょうがとしなびたレモンが入っているらしい。ただ、「あたたかいジュース(グレープ)」と「よくきくかぜぐすり」がべつものなのかな?という感じもするし…何度読んでも不思議な文章。
そしてさいごに「ママのおばあさんに教えてもらった」みじかいおまじない、も入ってます。はぁ…ためいき……なんて素敵な物語の一部分なんだろう、って本当に思う。
このシーンの押絵も素敵で、とっちらかったお台所でママがジュースをつくっているのだけど、もうほんと、ジュースを作っているようには見えないのもすごい好きです。もうおかゆ?何?煮込んでる?みたいな。
このあたたかいジュース、ムーミンがふぶきの中を帰ってきた時にもとんがりねずみが出してくれている。「ジュース=冷たい」というイメージがどうしてもあるのだけど、たとえば「ジュースの定義」がぜんぜん違うのかもな、と想像したり。でもグレープジュースがあたたかい、というのは…ホットレモネード的なものがあるのかな。
フィンランドも、いつかぜったいに行ってみたいところのひとつ。ムーミンテーマパークにも行けてないし……はぁ、やりたいことまだまだありますな。
いたずらまじょ子のおかしのくにの大ぼうけん/虹色のシャーベット
まじょ子シリーズはこの1冊の記憶しかないのだけれど、とにかく虹色のシャーベットがおいしそうだったな、というのを頼りにもう一度読み返したらそれよりも「空のおまつりで登場する数々のお店」の描写がすごく素敵だったのでその話を書くね(正直シャーベットの描写を読み返すとさらっと終わってしまって記憶との一致がなかった、それもまた良い思い出です)
まじょ子は「トオルくん」という男の子を「空のおまつり」へさそう。
これから夜空で、夜空のおたんじょう日のおまつり、バースデーフェスティバルがあるのよ
もうすでにこの説明部分で最高に好きです。
空のおまつりはにぎやかで色々なお店でいっぱいで、色んなものが売られている。そのさまざまなお店の描写がとにかくすごく夢いっぱいで、懐かしい気持ちで読んだ。
人魚さんのつくった青色ゼリーは海の中でつくるからちょっとさかなくさいらしい。そよ風さんのキャンディーショップにはわたげのキャンディー(すみれのかおり/バラのかおり/スズランのかおり)がある。このわたげのキャンディーは挿絵がないので本当に想像するしかないのだけれど、「すみれのかおり」なんて大人になった未だにはっきりは分からないのに、ファー!(擬音語)という想像上のきもちよさがめぐってくる。すみれのかおりのわたげのキャンディー。ぜひとも口に放り込んでみたい。すん、と息をすいこんで頭の中にすみれのかおりを取り込んでみたい。
うすぐらい黒雲の上にあるオバケのおかしやさんにもめちゃくちゃ楽しそうなものが並んでいた。「くものすチップスほこり味」、とても絶妙すぎない?ほこり味のチップス。ほこり食べたことないけど想像できそうな感じが絶妙。それがチップスになっている、というのも妙に想像しやすくて(?)、読み返した記憶の中で二番目に「はぁー!!あったねこれ!!」という気持ちになった。「かびいりガイコツあんぱん」よりめちゃくちゃ想像しやすくないです?(?)まずそうだけど、オバケたちはおおよろこびらしい。気になる……どんなにおいなんだろう。ほこりっぽいんだろうな。
そしてこの本を読み返す中で一番鮮明に恋焦がれた感覚を思い出したのは、「青空みがきのおにいさんのお店」でトオルくんがやった、金魚すくいのようなもの、だった。
雲のまんかなに青空の池があって、そこにはきれいなものがたくさんうかんでいます。
白いタンポポのわたげ、ピンクの花びら、青いふうせんのかけら、むらさき色のチョウのはね、にじのかけら、冬ののこりの雲、空飛ぶじゅうたんのかけら……。
それを月の光の糸でつります。
これはとってもむずかしい。
挿絵では、うかんでいるきれいなものにそっと「月の光の糸」を垂らしているトオルくんが描かれている。
この「うかんでいるきれいなもの」が本当に素敵で。当時の私は真剣に「もしどれかひとつ、をねらうならどれを選ぶか」を想像していたことを思い出した。どれもこれもとっても素敵にしかうつらなかったし、今も決められないぐらいすべてきれい。
「白いタンポポのわたげ」や「冬ののこりの雲」を、「月の光の糸でつる」。
なんともいえない読後感。言葉には、文章には、夢が詰まっているな……と思いながら、この部分を読みました。他の方が考えた空想の物語の一部分の描写を私がここまで好きだということが、なんていうの、こう……言葉にしづらいけど、最高です(語彙力)
それにしてもこのまじょ子シリーズ、読んでいるとトオルくんがマジでトオルくんだったので大人になって読み返すと苦笑いするとこもあって、それもまた変化あるなーと感じられて面白かった。こういった「〇〇シリーズ」という作品たくさんあったなぁ。私が主に読んでいたのは「こまったさんシリーズ」と「わかったさんシリーズ」なので(食いしん坊がばれますな)そこらへんも読み返したいなーと思ったり。
わかったさん/こまったさんどちらかで読んだ「サラダ」の章がめちゃくちゃ好きで、何度か繰り返し借りて読んだ記憶がある。サラダもそうなんだけど、登場した「ハム」とか「ウインナー」がめっちゃおいしそうだったんだよね……
とりあえず、そのほかの物語も久しぶりに読んだら更新していきたいです。
めげずに頑張りたい、色んなことを。