めげない

 家呑みしたら記事を書くルールの徒然日記。

君と出かける夢を見たんだ

 

 

丸10年間連れ添った、愛車とさよならすることになりました。
新中古車でかなりの掘り出し物で、私の人生の中で一番高いお買いもの。
今度の車検を通さずに、新しい車に乗りかえる。

 

 


私は、「車と携帯電話を決めるときは見た目を最優先にしてしまおう」、という気持ちで今まで生きてきた。そしてその選択を後悔したことがあまりない。
たぶんそれは、私が、車と携帯電話にあまりにも「機能性」を求めていないからだと思う。


携帯電話は、薄くて軽くてポケットに入るやつがいちばん好きだ。ガラケー時代はストレートタイプが楽ちんすぎて、メールの打ちづらさとか写真の画質とか本当に関係なく、最終的にはSO902iシリーズのようなコンパクトタイプを愛用していた。

ソニエリ初のFOMA「SO902i」はストレート型ボディ(懐かしのケータイ) - ITmedia Mobile

(なつかしい………)

 

そこでなぜ当時ビジネスシーンでわりと流行ったぽいBlackBerry じゃなかったかというと、ハイスペックさが逆にめんどくさそうだな…と思ったから。あと見た目的にもSO902iシリーズは本当に好みだった。この機種のパールホワイトを、ぼろっぼろになるまで使っていたなぁ。確か丸3年は余裕で使ったと思う。

スマホ時代に突入して一番困っている事といえば、どんどん機種が大きくなってきていること。ジーンズの尻ポケットに入らないスマホは携帯電話ではない!(そもそもスマホは携帯電話とはもう言えないけども)という気持ちを持ってしまうので、だいたい機種変するときはその時店頭に並んでいるうちで一番小さなものを選んでいる。
半年前に出た機種でもそんなに気にならない。店員さんに「同シリーズの最新夏モデルが出たばかりですよ、」と紹介されてもボディカラーが好みの方を選ぶ。スマホも故障しないかぎりは2~3年はフルで使うけど、機能面に関してそこまで求めているものが今も昔もないのです。ゲームもしないし動画もスマホではあまり見ない、というのもある。


そういうとき、毎日手に取る携帯電話は、見た目が好みだとすごく嬉しいし愛着がわく。見た目の次に気にするのは防水がついていればいいなぁというものなのだけど、それも「出来るだけ同じ機種を長く使いたい」と思うから。防水がついているタイプはやっぱり色々持ちが長い気がする。

 

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今の愛車、suzukiのMR-ワゴンを新中古車として購入したとき、私は23歳だった。
当時、姉のワゴンRカスタムタイプを借りて乗っていたのだけど、その姉が地元に帰ってくるタイミングでとうとう自分の車を持たなくてはいけなくなって、私はうきうき初めての車探しを始めたのだ。

沖縄は容赦ないほどの車社会。高校を卒業するタイミングでほとんどの人が免許を取り自分専用の車を持つ。一家に一台ではなく、一人一台な社会で、大学へも短大へも専門学校へもバイトへも車で通う。バスは隅々まで通っていないし、通っていたとしてもうちなータイムすぎて不便な路線が山ほどある。
でもそれも10年前のお話であり、今ではちょこちょこ、20代でも免許を持たない子はいるようなので、変化しているかもしれない。


私はその当時から、自分がもし車を持つとしたらぜったいにこれだ、と車種を決めてしまっていた。それがMR-ワゴンだった。完全に見た目で決めた。
ただ、MR-ワゴンは、その少し前のタイミングでボディーデザインを一新し、私の欲しい形ではなくなってしまっていた。私が欲しかったのはたまご型を横にしたようなもので、それはもうすでに旧型となっており、新車では手に入らないと言われてしまった。
でも見た目で決めたんだ、MR-ワゴンにするって!!!!!!!!!!しかもカラーは白、まさにたまごに私は乗りたいの!!!!という気持ちで、中古車屋を巡って、けっきょくは正規ディーラー取扱いの新中古車である今の車を購入することにした。


色は青紫?なんといえばいいの?とにかくホワイトではない。だけど、半年前に登録して6000kmしか走っていないし、ただただ試乗や車検時の代車として数回使用したことがある程度の、とてもきれいな車だった。
すべて混みで89万円。その当時は、まだまだこれぐらいの価格帯の車種は各メーカーにいくつかあったように思う。
CDのみだったオーディオをMD+CDにしてもらい、足元マットもおまけしてもらってこの値段で、とにかくお得だったことは覚えている。
社会人になってようやく2年目の私は、生まれて初めてローンを組んで、月々返済しながらその車に乗った。


今でもこの車の形が大好き。本当に、どれだけ形が古くなり他に乗る人がいなくなっても、どんどん新しい機種が誕生しても、この形はもう今はなぁ、と思ったことはない。自分が乗り込んだときに運転席から見る景色も大好きだ。小回りがきいて、視界もわるくない。私が乗るにあたってこれほどまでにしっくりくるサイズ感があるだろうか、と、何度となく思った。今も思っている。

ボディーカラーを白にしなかったことも、乗って1年でよかったな~と思えた。車にとってはよくないことかもしれないけれど、今のボディカラーは、本当に汚れが目立たなくて助かっている。年に多くても、私は4回程度しか洗車していない。それでも、黒い汚れも白い汚れもとても目立ちにくいカラーリングである。まじで、台風の次の日にぐらいしか洗車してやれてない……それは逆に申し訳ないのだけども、団地住まいで外で使える水道がない我が家にとって、これほどまでにありがたいことはなかった。姉の車のカラーは黒だったから、月に二回以上は洗車しないとはずかしいぐらいに汚れが目立ったから。

 


普段、外出もあまりしないし遠出もしないけれど、それでも、沖縄で生活するわたしにとって、その愛車は唯一無二の相棒となった。会社へも遊びにもいつでも一緒。愛着だってがんがんわく。私は、「そうすると車が喜んで長持ちするらしいよ」という誰かの言葉を信じて、名前をつけて心の中で呼び過ごしている。
寒い日の朝に、エンジンをかけてすぐに走り出すとき、心の中で「ごめんよ朝からさっさと発進させて。せめてアクセルあまり踏み込まない様にするよ、青いランプが消えるまで」と、名前を呼びかけながら語りかけている。きもいな私。
真夏の暑い日も、青いランプが消えるまでは、汗だらだらになりながらもクーラーのスイッチはいれなかったりだとか、自分なりにだけど大切に乗ってきた。


去年の暮に、道の端に停めていたときにいたずらされてフロントガラスにひびをいれられていた。私だけじゃなく周りの車何台かにされていたので故意にだと思う。このままだと車検は通らないよ、と聞いたので、今年の車検は高くつくなぁ金額用意しとかなきゃ、とつい9月までは思っていた。
ただ、距離はまだまだ乗れると思うけれど、軽自動車で丸10年だ。最近は音もなかなかうるさいし、タイヤも最低二つは変えなきゃいけない。
色々な人に相談したけれど、ほとんどの人は「買い替え時だよ」という答えだった。フロントガラスの修理はまるごと交換だねと言われているからなかなかかかるはず。そこを直してタイヤ交換をして車検を通すとして、他にも修理が必要な個所が見つかるかも。そしてそれを直したとして、あと二年持つかは分からないよと。

車について初心者で、何もよく分かってなくて、車検のときぐらいにしかメンテナンスをしていなかった。ただ、それにしても、本当にこの子は、とてもよく頑張ってくれた。大きな故障なんてクーラーが効かなくなった1度きりで、そのときもたしか、「ガスを充てんしてもし効かなかったら修理になる。その時はきっと大きな額になるから、もしそうなったら、買い替えをおすすめするよ」と言われていた。二年も前のことだ。

そして今年の猛暑、クーラーはきちんと効いてくれた。


車検が切れるのは12月末。10月にすぐ動き出して、大人になったので金利も色々調べてみて、地元銀行のカーローンを組むことができた。注文もすませて、支払いも済ませて、あとは納車を待つだけ。
車を選んでいる時はわくわくしたけれど、その後思うのは、「この車とお別れなんだ…」ということ。友達はあんたの感覚が麻痺しているんだよ、この車はそうとう古いよもうと言っていたけれど、それでも私はこの車が好きなんだ。小さくてつけてしまった傷があってドリンクホルダーが壊れてもうMDを聴いていないこの車が。


ストレスが溜まっているときは、一人で海にドライブに出かける。一度だけ、深夜の桟橋にでかけていって、そこから底をのぞいて、今私がここから飛びこんでしまったら誰も私の事を探し出せないかもしれない………とか、そういうぞくぞくすることを考えたこともあった。でもその後は、大好きな音楽をガンガンかけて歌いながら、帰り道でアイスカフェラテ買って飲んでた。

 

自慢だった。かわいいでしょ私のこの車の形!と何度思ったことか。それは本当にただただ私の好みだっただけで、今この形の車にいまだ乗っている人は少ない。タントやスペーシアやNボックスがたくさん走っている。大きくて広くて機能性があって、燃費がよくて安全性が高くて、音楽だって映像だっていろいろ楽しめる。
それがなくても私は愛車が大好きだった。本当に本当にありがとう、という気持ちしかなくて、納車の日がそのまま愛車の引き渡しの日になるから、本当に寂しい。

 

でもきっと、次の車も、見た目の好み100%で選んだから、長く長く乗ると思う。名前の候補ももう決めている。…なんとなく、いまだけなんとなくだけど、二股している人の気分を味わっているきがする(それは違う)
愛車よ、いままで本当にありがとう。そして、もう少しの間だけですが、よろしくです。